福岡　投資詐欺被害取扱　弁護士　是枝秀幸

投資金の現金払いや暗号資産（仮想通貨）の送金

投資詐欺の可能性が高いと考えられます

仮に適正な投資であれば、投資金として数百万円等のまとまった金額を送金することになりますが、現金払いは安全ではなく、仮想通貨は相場変動が激しく、送金には向きません

それでも現金払いや暗号資産（仮想通貨）送金を選択する理由としては、預金口座で出金ができなくなる、関係者の素性が突き止められる等を回避するためという可能性があります

特に預金口座であれば、加害者が不特定多数の被害者から集金しているうちに、一部の被害者が弁護士や裁判所を通じて加害者使用の預金口座を凍結してしまうことがあります

数百万円の高額の送金で現金払いや暗号資産（仮想通貨）送金に向いていないのに、これらに固執するような場合には、投資詐欺の可能性が高いと考えられます

送金先口座が関係性の不明な名義の預金口座

投資詐欺の可能性が高いと考えられます

仮に適正な投資であれば、投資金は投資家から投資対象または証券会社・信託銀行等の名義の銀行預金口座へ送金するのが通常でしょう

そうではない理由は、投資対象が実在しない、証券会社・信託銀行等から投資対象が適正な投資対象と認識されていない、ひいては投資詐欺であるためと考えられます

また、勧誘者の名義ですらない関係性の不明な名義である理由としては、上位者や首謀者が存在しているためや、投資詐欺において勧誘者の名義の預金口座を使用することで、勧誘者の投資家に対する不法行為責任がより明確になることや、口座凍結をされてしまうことによる各種不利益を受けることを、できるかぎり避けたいためではないかと思われます

なお、送金先口座に関係性の不明な名義の預金口座を指定する際、振込日も指定されることもありますが、これは入金した後に即座に出金して口座凍結を回避するためと思われます

勧誘者に金融商品取引業等の登録がない

投資詐欺の可能性が高いと考えられます

仮に適正な投資であれば、その勧誘は、業として行う場合、通常、金融商品取引法２条８項規定の「金融商品取引業」または同条１１項規定の「金融商品仲介業」等にあたり、同法２９条や６６条の規定により、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、これらの業務を行うことはできないとされています

もし無登録業者が顧客へ未公開有価証券につき売付け等を行った場合には、金融商品取引法１７１条の２により、対象契約は無効とされますし、無登録営業を行った場合には、同法１９７条の２により５年以下の懲役等の刑罰に処せられるとされていますから、それでも無登録営業を行っているのであれば、投資詐欺の可能性が高いと考えられます

なお、時々、金融商品取引法６３条２項規定の適格機関投資家等特例業務の届出をしていることをもって「無登録営業ではない」等と主張されることがありますが、この届出があっても株式の売買や他者ファンドへの投資の勧誘等ができるようになるものではなく、金融庁は無登録営業を行っている届出業者へ警告書の発送や行政処分をしています

勧誘者の正確な住所・氏名・連絡先・所属先が不明

投資詐欺の可能性が高いと考えられます

仮に適正な投資であれば、その勧誘は、業として行う場合、通常、金融商品取引法３６条、３６条の２、３７条等の規定により、氏名等の正確な素性を明示して行う必要があります

勧誘者が、被勧誘者へ、正確な住所・氏名・連絡先・所属先を明示しないのであれば、将来の破綻による責任追及を回避するためである可能性が高いと考えられます

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