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投資詐欺被害の解決事例・コラム:目次

実在の排出量取引との比較にみるいわゆるCO2排出権取引商法における取引の架空性(1)

はじめに


CO2排出権取引の大半が投資名目詐欺商法であること


いわゆるCO2排出権取引「商法」とは


いわゆるCO2排出権取引「商法」とは、CO2(二酸化炭素)排出権を対象商品とする取引(投資)に参加すれば必ず儲かる等と架空の投資話を持ちかけ、投資に参加するための証拠金として合計数百万円に及ぶ高額のお金を預かるものの、実際は実在の排出量取引等を行うことはしないまま、預かったお金について取引で損失が出たと虚偽の報告をして返還しない、という投資名目詐欺商法を言います

以下では、単に「CO2排出権取引商法」と言います


CO2排出権取引商法の違法性


違法性については、要約すると、次の4点が挙げられます


1 取引の架空性

実際は実在の取引の伴わない架空の投資話である

実在の取引を伴うものであるかのように説明する


2 取引の賭博性

実際は賭博行為に該当する違法な取引である

適法な取引であるかのように説明する


3 説明の不明確性(取引の形態という基本的かつ重要な事項について)

書面では相対取引(店頭取引)と記載している

口頭では市場取引(取引所取引)と説明する等


4 その他(特定商取引法違反等)

必ず儲かる等と断定的判断の提供ないし不実告知を行う

実際は預託金の分別管理をしていない等の重要事実を告げない

顧客の判断力の不足に便乗する等


CO2排出権取引商法の主な手口等


主な手口等については、当サイト内の投資名目被害(投資詐欺・CO2排出権取引被害)の解決方法の例で既に述べたほか、次に掲載する国民生活センターのサイト等で確認していただけると思います


(当サイト内)

投資名目被害(投資詐欺・CO2排出権取引被害)の解決方法の例


(外部サイト)

独立行政法人国民生活センター
CO2(二酸化炭素)排出権取引に関する儲け話のトラブル!
-一般の投資詐欺は手を出さないで-


日本弁護士連合会
CO2(二酸化炭素)排出権取引商法の適切な規制を求める意見書


投資詐欺庁
特定商取引法違反の訪問販売業者に対する業務停止命令(12か月)について
※ pdf


毎日新聞 2012年9月23日 西部朝刊
CO2排出量「詐欺」急増
※ リンク切れ


毎日新聞 2012年10月30日 西部朝刊
特定商取引法違反:CO2排出量投資仲介会社、詐欺容疑視野に捜索
70人から1億円 福岡県警


本稿では


もっとも、CO2排出権取引商法における取引の架空性について具体的に言及している文献やサイトはそれほど見かけません

本稿では、やや専門的な話になりますが、実在の排出量取引を紹介したうえで、実在の排出量取引との比較によりCO2排出権取引商法における取引の架空性等を明らかにしてみたいと思います

なお、私は経済評論家ではないので、多少の誤りはご了承ください

また、概ね下記に掲載するサイトを参考にしています


(外部サイト)

環境省
環境省 国内排出量取引制度 | 諸外国における実施・検討状況


2012年12月 環境省 地球環境局 市場メカニズム室 ※ pdf
諸外国における排出量取引の 実施・検討状況


平成22年10月 8日 環境省市場メカニズム室 ※ pdf
排出量取引に関する欧州の取引所について


平成24年9月 環境省地球温暖化対策課 市場メカニズム室 ※ pdf
国内排出量取引制度について


排出量取引インサイト
https://www.ets-japan.jp/


実在の排出量取引について


実在の排出量取引はハイリスクであるだけでなく参加自体に高いハードルがあること


実在する3つの制度


実在の排出量取引の制度は次の3つの制度に分類できます


国際取引の制度

条約締結国間で排出枠等を売買する制度


国内取引の制度

同一国内の企業・団体間で排出枠等を売買する制度


欧州連合域内排出量取引制度(EU ETS)

欧州連合域内の国家間または企業等間で排出枠等を売買する制度

CO2排出権取引商法において登場することが多いようです


以下、それぞれについて、順に紹介していきます


国際取引の制度


国際取引について、根拠、取引所・取引方法、取引単位は、次のとおりのようです


国際取引の根拠

気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書17条、マラケシュ合意等


京都議定書17条

「・・・附属書Bに掲げる締約国は、第三条の規定に基づく約束を履行するため、排出量取引に参加することができる。・・・」


国際取引の取引所・取引方法

以下の取引所があり、取引所の参加資格があれば市場取引(取引所取引)が可能であり、相対取引(店頭取引)による方法もあります

なお、国際取引の結果は国別登録簿の口座に記録されることとなっていますが、国別登録簿の口座について、国際取引の当事者となるために開設されるもので、法人であれば申請することで誰もが開設することができるもので、取引所の参加資格と関係のないものです


シカゴ気候取引所(CCX・但し閉鎖済み)

2011年よりOffset(相殺)方式のみ実施している


欧州気候取引所(現ICE・旧ECX)

英国ロンドンに所在する世界最大の取引所(シェア90%以上)


その他の欧州の取引所

BlueNext(フランスパリ)

欧州エネルギー取引所(EEX・ドイツライプチヒ)

NordPool(ノルウェーオスロ)


日本国内

日本国内に国際取引の排出量取引に関する取引所は存在しません


国際取引の取引単位

AAU、RMU、ERU、CERの4つがあり主にCERが用いられるようです


国内取引の制度(例として日本国内における国内取引の制度)


日本国内における国内取引の根拠

地球温暖化対策の推進に関する法律42条の3、各種条例等

日本国内における国内取引の制度は、複数の制度を試行中で確立されていないため、よくわかりません


日本国内における国内取引の取引所・取引方法

今のところ公開の取引所というものはなく、東京都や埼玉県が相対取引を仲介するなど、さまざまな取り組みがなされているようです


取引単位

複数の制度を試行中のため各制度において単位が創設されています

(国内クレジット量、オフセット・クレジット(J-VER)等)


欧州連合域内排出量取引制度(EU ETS)


根拠

マラケシュ合意等(詳細不明)


国際取引の取引所・取引方法

以下の取引所があり、取引所の参加資格があれば市場取引(取引所取引)が可能であり、相対取引(店頭取引)による方法もあります


シカゴ気候取引所(CCX・但し閉鎖済み)

2011年よりOffset(相殺)方式のみ実施している


欧州気候取引所(現ICE・旧ECX)

英国ロンドンに所在する世界最大の取引所(シェア90%以上)


その他の欧州の取引所

BlueNext(フランスパリ)

欧州エネルギー取引所(EEX・ドイツライプチヒ)

NordPool(ノルウェーオスロ)


日本国内

日本国内に国際取引の排出量取引に関する取引所は存在しません


取引単位

EUA(European Union Allowance・1EUAが概ね1t-CO2に相当する)


欧州の取引所における市場取引(取引所取引)


欧州の取引所における取引方法

各取引所の参加資格を得るか、参加資格を有するもの(メンバー)の顧客として注文を取り次いでもらうか、いずれかになります


欧州の取引所におけるメンバー(参加資格)

各取引所の参加資格を有するもの(メンバー)のリストについて、下記に掲載するリンク先において、確認することができるようです


なお、各取引所の参加資格を得るのは容易ではないようです

例えば、欧州気候取引所の参加資格を得るためには、ICE Futures Europeのメンバーとなったうえで(要件あり)、欧州気候取引所の清算会員等となる(要件として2000万ポンド相当または500万ポンド相当の純資産を有していなければならない(平成24年12月当時為替レート:1ポンド=130円台)等)等の厳格な要件があり、参加資格保有者は平成22年10月当時世界で106社しかなかったようです

現に、ICE Futures Europeのメンバーについて、大半は外資系金融大手のようで、日本企業としては日本の大手銀行、大手証券会社、大手商社くらいしか見当たらず、高いハードルがあるようです


(外部サイト)

欧州気候取引所(現ICE・旧ECX・英国ロンドン)
ICE Futures Europe: Members List
httpss://www.theice.com/FuturesEuropeMembers.shtml


BlueNext(フランスパリ) ※ リンク切れ?
https://www.bluenext.eu/membership/members.html


欧州エネルギー取引所(EEX・ドイツライプチヒ)
European Energy Exchange: Participants
https://www.eex.com/en/EEX/Participants


NordPool(ノルウェーオスロ)
https://www.npspot.com/TAS/Day-ahead-market-Elspot/Members-at-Elspot-and-Elbas/


欧州の取引所における取引内容(例として欧州気候取引所)

欧州気候取引所(現ICE・旧ECX)における取引内容について、下記掲載のリンク先において確認できますが、概ね次のとおりです


まず、欧州気候取引所における排出量取引の対象商品としては、CERとEUA等のそれぞれについて、先物取引、オプション取引、直物取引(スポット取引)等が用意されているようです


また、特にEUA先物取引について概ね次のとおりです


取引単位 1lot(1枚)=1,000EUA(1EUAが1t-CO2に相当する)
取引通貨 ユーロ
値幅制限 下限は1EUAにつき0.01ユーロで上限はないようです
取引限月 概ね四半期(3月、6月、9月、12月)
取引方法 取引時間中にWebICE等のシステムを用いて行います
清  算 セントラルカウンターパーティー(CCP)方式
手数料等 取引証拠金と取引手数料が必要です


セントラルカウンターパーティー(CCP)方式とは、取引所が取引所における全ての取引について取引相手となることで取引相手の信用リスクを引き受けるという方式をいうようです


なお、排出量の値動きが激しいうえ外貨(ユーロ)建て取引になるので、価格変動リスクと為替変動リスクの二重の不確実性があり、素人お断りのハイリスクな取引と言ってまず差し支えないでしょう


また、取引所でなされる取引について、実際になされたかどうかや具体的な取引内容等といったことを取引所の参加資格を有する者(メンバー)以外の方が直接確認することは、通常できないでしょう


(外部サイト)

ICE: Emissions
httpss://www.theice.com/emissions.jhtml


ICE Product Guide: ICE ECX EUA Futures
httpss://www.theice.com/productguide/ProductSpec.shtml?specId=197


Daily Volumes for ICE ECX EUA Futures (Monthly)
httpss://www.theice.com/marketdata/reports/ReportCenter.shtml?reportId=10&contractKey=20


CKH13 | Commodity Futures Price Chart for ICE ECX EUA Futures March 2013
https://barchart.com/charts/futures/CKH13


ECO2 排出権価格情報 ※ 情報の信用性は保証しません
https://eco2.jp/servlets/Query?SRC=haishutsu/e_right/index&code=EUA1303


小括


私の理解できる範囲で実在の排出量取引について紹介してみました

実在の排出量取引は、ハイリスクであるだけでなく参加自体に高いハードルがある以上、日本国内に居住している個人の方の参加自体現実的に考えにくい、と言うことがお分かりいただけたと思います

次項では、実在の排出量取引との比較により、いわゆるCO2排出権取引商法における取引の架空性を明らかにしてみたいと思います


実在の排出量取引との比較にみるいわゆるCO2排出権取引商法における取引の架空性(2)


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